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熱中症関連

ビッグデータから熱中症を考える②-2

過去10年間の熱中症の年齢別搬送件数とWBGTとの関係、その2

はじめに

前回は、高齢者の搬送件数が搬送件数全体の約半数を占めることや、WBGTが30℃を越えたときに見られる搬送件数の減少は、WBGTの高い日が減少していることと関係があることを紹介しました。
今回は少し違った視点から、年齢別の搬送件数を見てみます。

高齢者は成人、少年よりWBGTが低い段階で搬送件数が有意に増加する!

過去10年間の熱中症搬送件数を示す折れ線グラフ(図1)を見ると、各地域でWBGTが上昇するとそれに伴い搬送件数が増加していることがわかります。
さらに見ると、その増加の度合いは年齢や地域によって差があるようにも見えます。

高齢者とその他の年齢区分の増加度合いに差があるか検討するため、WBGTを横軸とした箱ひげ図(図2)を作成し、比較円(グループの平均を比較する方法、今回のグループはWBGT1℃毎で作成)を用いて検討しました。
その結果、高齢者はWBGTが27℃となったときに、26℃と比較して有意に搬送件数が増加することがわかりました。

一方、成人や少年ではWBGTが28℃となったときに、前のグループ、つまりWBGTが27℃のときと比較して搬送件数が有意に増加することがわかりました。
また、同様の方法を用いて高齢者を地域毎で検討すると、東北地方がWBGT26℃、中国地方が同27℃、関東・中部地方が同28℃、その他の関西・四国・九州沖縄地方は同29℃でした。

次回は、少年や成人の傾向を紹介します。

(少年;満7歳以上18歳未満、成人;満18歳以上65歳未満、高齢者;満65歳以上)

[図1]
[図2]

【イメージ写真】
こちらからお借りしました
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