https://www.photo-ac.com/main/detail/899912
熱中症関連

ビッグデータから熱中症を考える③-1

過去10年間の熱中症搬送時における傷病程度とWBGTとの関係、その1

はじめに

前回までは、熱中症の搬送件数を年齢別に解析した結果を紹介しました。今回からは搬送時における傷病程度に着目した解析結果を紹介します。

熱中症の傷病程度は、死亡、重症、中等症、軽症、その他に分類されている

熱中症搬送件数のデータには、下記の表で分類された傷病程度が記載されています(表1)。
熱中症を傷病程度別に集計すると、その多くが軽症であり、いずれの年においても、全体の約6割程度を示していることがわかります(図1)。搬送件数の絶対値には各年で差がありますが、この割合はいずれの年においてもほぼ変わっていません。
軽症が全体の搬送件数に占める割合を地域別でみると、関西地方がその割合が最も高く73%で、その値は、最も低い九州沖縄地方の58%よりも15%高い値となっています(図2)。

傷病程度程度
死亡初診時において死亡が確認されたもの
重症傷病程度が3週間の入院加療を必要とするもの
中等症傷病程度が重症または軽症以外のもの
軽症傷病程度が入院加療を必要としないもの
その他医師の診断がないもの及び傷病程度が判明しないもの、並びにその他の場所に搬送したもの

[表1]

熱中症搬送件数のデータでは、年齢区分と傷病程度を紐付けて集計することはできないので、ある日に高齢者の何人が軽症で運ばれたのか?という解析ができないのが現状です。

次回からは各傷病程度の特徴について、月毎の特性やWBGTとの関係について紹介します。

[図1]
[図2]

【イメージ写真】
こちらからお借りしました
https://www.photo-ac.com/main/detail/899912

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください