熱中症関連

熱中症の症状と対処法

熱中症の発生時に備えて、応急処置の方法を知ることは大事なことです。みなさんは、熱中症についてどれだけ知っていますか?
熱中症とは熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病の総称です。以下に各症状と応急処置を挙げます。

熱失神
(症状)めまいやふらつき、一過性の意識障害。
(対処法)足を高くし、下肢に溜まった血液を物理的に戻す。

熱痙攣(けいれん)
(症状)下肢のみならず、上肢や腹筋における筋痙攣
(いわゆる“つった”という状態)。
(対処法)生理食塩水などの濃い食塩水の補給や点滴。

熱疲労
(症状)倦怠感や疲労感。頭痛、吐き気など。
(対処法)スポーツドリンクなどの電解質(塩分)を含む飲料を摂取と休息。
嘔吐などの理由から水分が取れない場合は点滴。

熱射病
(症状)意識障害、応答が鈍い、言動がおかしい、意識がない。
(対処法)救急車を要請。到着までの間に脱衣、身体冷却の実施。

実際には、この4つの区分のように症状は明確に区別ができません。従って、まず判断すべきことは、熱射病かどうかの判断です。少しでも熱射病が疑われる場合は迷わず救急車を要請します。
熱射病は生死に関わりますので、指導者は熱疲労の症状が疑われるまたはその症状を発症したときには、迷わず運動を中止し必要な処置とその後の休息を確保します。
また、処置を施した時点で症状が回復したように見えても、その後容態が変化することもあります。熱疲労であっても油断はせずに、上記のような症状の他に少しでも気なる症状(体温が高い、脈拍が早いなど)が見られる時には、医師の診断を受けることも考えます。

熱中症が発生した際には適切な対処を行うことが絶対条件です。見た目には症状が回復しているように見えても、身体へのダメージが完全に回復しているわけではありません。
従って、症状を発症した当日だけでなく、場合によっては数日間かけて通常のスポーツ活動に復帰させる必要があります。少なくとも、熱疲労の症状を訴えた翌日に、またこれまでと同じように炎天下でスポーツ活動を行うことにはリスクが伴います。
個人によって、症状が異なりダメージの程度やその後の復帰の過程を一概に示すことは難しいですが、怪我からの復帰の場合に除々に強度を上げて競技復帰させることを考えると、熱中症の発症によってプレーの継続が行なえない状況となった場合に、スポーツ活動への復帰を慎重に行なわない理由は見当たりません。

参考文献
1) 公益財団法人日本スポーツ協会. スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック.
2019.

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