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0.8秒差がもたらす影響

これまで国際スポーツ大会に出場する選手に関わらせていただく中で感じたことですが、4年に一度の国際大会に出場する選手は、総じて選手同士の力の差は大きくない、ということです。

そして、4年に一度の大会で差が出たり、勝負の分かれ目のきっかけとなるのは、
「いかに本番で最高のパフォーマンスを発揮出来るか?」
「本番で最高のパフォーマンスを発揮するために、どれだけ最良の準備が出来るか?」
「コンディションを整えてピークをもってこれるか?」
等ではないかと感じています。

2016年のリオ大会では、ラグビーで強豪ニュージーランドやフランスに勝利しました。
気象情報の活用をはじめとした様々な準備を行い、勝つための戦略・戦術、選手起用を完璧に考え、準備して挑んだ結果の勝利でした。

他にも、女子マラソンでは1位と2位の差はわずか9秒。42.195km走って、9秒の差でメダルの色が変わりました。
男子50km競歩では、日本人選手が見事「銅メダル」を獲得しましたが、一つ上位の銀メダルを獲得した2位の選手との差は僅かに8秒、女子20km競歩では、1時間半近くのレースで、1位と2位の差は僅か2秒でした。

女子トライアスロンでは、2位と3位の差が5秒、そして3位と4位の差は3秒。わずか3秒差でメダル獲得を逃した選手がいたということになります。
自転車ロードレースでは、男子の1〜3位は10秒以内でゴールし、女子は1〜3位がほぼ同タイムでゴール、といったように、多くの競技において僅差でメダルの色が変わり、メダルが獲得出来たり出来なかったりと、明暗が分かれました。

2018年の平昌大会では、パラクロスカントリーで、ある日本人選手が金メダルと銀メダルを獲得しました。
チームスタッフや気象サポートスタッフなど、数多くのスタッフがそれぞれの持ち場で最高の準備をして選手を送り出し、見事、金と銀の2つのメダル獲得につながりました。
この時、先に獲得したのは銀メダルだったのですが、その際の1位の選手とのタイム差は僅か『0.8秒』…ほんの僅かな差で敗れ、金を逃していました。

この僅か0.8秒を縮めるために何かもっと出来たことがあったのではないか?
たかが気象、されど気象、もっと気象面でサポート出来ることがあって、それをやっていれば0.8秒を縮められたのではないか?
ほんの些細な気の緩みや、準備に手を抜いたら、負けてしまう…
この時、決して手を抜いたわけではないけれど、きっともっとやれることがあったはず。

こういった経験をして、改めて準備の大切さや準備が結果に繋がることを実感しました。

勝負の明暗を分けるのは、細かい拘りや準備の積み重ねです。

本番に向けたトレーニングはもちろん、食事にリカバリー、コンディショニング、戦略戦術の組み立て、そして周囲からの協力や応援者からの声援、様々なことが重なり結果に繋がります。
それぞれ細かいことまで拘り、事前の準備に拘って最良の準備をすることこそが、最高のパフォーマンスを生み出します。
結果は相手があることであり水物ではありますが、後悔をしないためにも最高の成果を出すためにも、自分でコントロールが出来る『準備』に徹底的に拘ることが、まず何よりも大事なことである、と常に肝に命じています。

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