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2020マラソンコースを観測してみました

2020年夏、真夏の酷暑が予想される中、マラソン競技は行われます。
そんな厳しい環境下で行われる競技に挑む選手やチームの皆さんは、万全の準備をして挑むための取り組みを既に開始しています。
その取り組みの一つとして、我々スポーツ気象チームも万全の準備をサポートするために、マラソンコース上の主要ポイントで気象観測を行いました。
大会期間中、「競技が行われる時間帯に気温や湿度などはどういった変化を示すのか」ということはもちろん、実際に競技が行われる時間帯は「路面に対してどのような日の当たり方をするのか」、「路面のどのあたりが日陰になるのか」といった点にも注意しながら観測しました。

車で新国立競技場を出発し、移動しながら5km毎のポイント周辺で「気温」「湿度」「風向」「風速」「道路の表面温度」「道路上の日向日陰」の6項目について観測していったのですが、朝7時の時点ですでにうだるような暑さです。。。
この暑さは実際にレースを走る選手はもちろん、沿道からレースを見守る観客にとっても大きな負担となることは容易に想像できます。
近年の酷暑は命の危険が感じられるレベルです。
そこで我々は、熱中症を予防するという観点から「日陰」に注目しました。

日陰を探そう!

例えば、この写真を見てください。

日本橋高島屋前

道路の左右で日向と日陰がくっきり分かれていることがわかると思います。
こういった場所で観戦するなら、日陰側の沿道を選ぶ方が体へのダメージは軽減されると考えられます。
選手にも同じことが言えると思いますが、実際のレースにおいてコース取りは勝負を左右する重要なファクターとなるため、 単純に「日陰だから」という理由だけで日陰を選んで走ることは難しいでしょう。

もちろん、いくら日陰にいたからと言っても、熱中症にならないことが保証されるわけではありません。
こまめな水分補給を行い、体調の変化に注意して無理はやめましょう。

観測当日は実際のコース(一部区間を除く)に沿って車で移動したのですが、この時運転席にカメラを設置して動画の撮影も行いました。
選手が本番と同じコースを同じ条件で走ることができれば、それが一番良いに越したことはないのですが、なかなかそうはいきません。
この動画を見ることで実際にコース上を走っている雰囲気を疑似体験し、イメージトレーニングに活用してもらおうというわけです。

みなさんは目的地までの道のりをしっかりと地図で確認していたにもかかわらず、実際にその場に行ったときに曲がる場所を間違えたり道を間違えてしまった、、、という経験はありませんか?
また、よく通る道であっても、普段と逆方向から来たとかちょっと違う方向から来ただけで、全然違う場所に感じてしまうことはありませんか?

こういった小さな誤差を解消するために、実際のコース動画を見てイメージトレーニングを行うことは、実はとても有効であると考えています。
驚くほど画期的なアイデアではないかもしれませんが、勝負が拮抗していればいるほど、こういった小さな積み重ねが運命を分ける判断につながると我々は信じています。
そのためのサポートを、我々は惜しむことなく続けていきたいと思います。

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