ノウハウ

過去データを活用するということ

気象データは、「過去」「未来」「今」という時間軸と、「天気(晴れや雨)」「気温」「湿度」「気圧」「風向/風速」等の気象要素で構成されており、これらを掛け合わせて活用します。

「1ヶ月後の大事な試合、どんな天気かな?」
「いよいよ1年後に控えた国際大会、開会式はどんな天気になるかな?」

なんて思ったことはありませんか?
こんな時、1ヶ月先や1年先の週間予報はまだ発表されておらず、確認することはできません。
少し先の予報というと、気象庁等が発表している長期予報(3ヶ月予報)がありますが、こちらは「向こう3か月の出現の可能性が最も大きい天候と、特徴のある気温、降水量等の確率」を示したもので、特定の日にちの予報として参照するには少し難しいかもしれません。
そこで活用するのが「過去」の気象データです。

全国各地、または世界中に設置されている気象観測機で観測したデータは、地点によって観測期間や観測されている気象要素が異なる場合はあるものの、過去数年分が蓄積されています。
ここから知りたい日(期間)の過去の気象データを抽出し、分析を行うのです。

例えば、2020年7月24日20時に、東京の千駄ヶ谷付近である試合の開会式が開催されるとします。
この会場から最も近い場所に設置された観測機を探し、その観測機が観測した過去の観測データを抽出して、 過去複数年分の7月24日20時前後の「天気」「気温」「湿度」「降水量」「風向/風速」等の観測値を基に分析します。
データを抽出する期間は最低5年、可能であれば10〜20年分のデータがあると、より分析の質が上がります。

過去10年の平均的な気温や湿度は?
過去10年の中で最も暑くなった場合、何度くらいになったことがあるか?
湿度が最も高くなった場合、何%くらいになったのか?
風はどちらの方向から吹くことが多かったのか?
等々…

このように、平均的なデータと極端なデータ(最高値/最低値等)を基に分析することで、傾向として「その日がどんな気象コンディションになる可能性があるか?出現率があるか?」といったことを確認することが出来るのです。
当然、当日、そのような傾向分析の結果通りになるとは言えませんが、、、

未来は分からないが、過去から傾向を把握し、準備することは出来る

ということです。

未来のことだし、そんな先の予報もないから何もしない、ではなく、予報がなければ過去のデータを参考にして、過去の傾向を把握して当日のシミュレーションや準備をするのです。

あくまでも傾向ではありますが、何も知らず何もしないよりも、傾向情報を基に何かした方が良い準備が出来るのです。
そして、このような準備の積み重ねが、本番でのパフォーマンス発揮に繋がります。

良い準備をするために、未来が分からなければ過去から学ぶということも大事なことです。

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