熱中症関連

熱中症に関するデータ② 月別搬送件数

2020年7月の熱中症救急搬送件数は異常な少なさだった!

2020年は、遅い梅雨明けといくつかの場所で最高気温が更新された記憶に残る夏でした。
熱中症の発生は気象条件と関係しますが、今年(2020年)の月別熱中症搬送件数を過去12年分のデータと比較してみたいと思います。

まず全体として、2020年はここ13年間で最も救急搬送件数が多かった2018年、そして昨年に続き、3番目に多い搬送件数です(9月時点)。月別の内訳では、7月の搬送件数がこれまで最も多かった2018年の54220件に対し、2020年はその約15%程度の8830件でした。
この数字は2008年からのデータ上、最も搬送件数が少なった2009年の5249件に次ぐ少なさですが、2009年の総搬送件数が12971件であったのに対し、2020年は8月の時点ですでに6万件を超えています。

一方、8月の搬送件数は44347件で、過去最も搬送件数が多かった2018年を1万件以上上回っています。この8月の熱中症搬送件数の数字はここ13年間で最も多い数字です。
また、発生件数を月別の割合でみても、今年は全体の70%を超えており、ほかの年と比べて非常に多い数字となっていることがわかります。
熱中症の救急搬送件数から見ても、2020年は特徴のある年であると言えそうです。

ちなみに、搬送件数の多い東京、大阪、愛知では、2008年から2020年の日最高気温の月平均において、7月は各地とも2018年が一番高く、大阪、愛知は2020年が一番低く(東京は二番目に低く)なっています。8月は各地とも2020年が一番高く、東京は2009年が一番低く(大阪、愛知は二番目に低く)なっています。
また、同期間の東京、大阪、愛知の日最高気温の月平均では、7月と8月の差が大きかったのは2020年で、その差分は、東京は6.4℃、大阪は6.1℃、愛知は6.8℃でした。
2008年から2019年の7月と8月の差分は、ほとんどないか概ね2℃前後なので、このことからも2020年の7月と8月はいつもより最高気温の変動が大きかったことが見て取れます。
最高気温のデータだけでは全ては語れませんが、搬送件数と無関係ではなさそうです。

注)本文のデータは総務省HPで公開されているデータを基に集計しています。2019年より以前のデータは確定値を基に集計していますが、2020年は速報値で集計しています。

注)気象データの比較には、アメダス東京、大阪、名古屋の値を使用しています。

【参考資料】
・総務省消防庁HP 熱中症情報
https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/post3.html

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