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熱中症関連

ビッグデータから熱中症を考える③-2

過去10年間の熱中症搬送時における傷病程度とWBGTとの関係 その2

はじめに

前回は、熱中症搬送件数のデータを症例別に検討した全体像を紹介しました。今回は“軽症“に着目して集計した結果を紹介します。

6月は他の月と比較して、WBGTが低い段階から熱中症の発生件数(軽症)が増加する

前回ご紹介したように、軽症とは“傷病程度が入院加療を必要としないもの”と定義されています。
軽症での搬送件数を月別でみると、7月、8月と比較して6月は搬送件数のピークがより低いWBGTで現れています。また搬送件数(軽症)も、これらの月より低いWBGTで多くなっていることがわかります(図1)。

各WBGTの該当日数との関係を見ると、該当日数が増加するほど軽症の搬送件数は増加しています。
このことから、熱中症の搬送件数(軽症)は、気象条件(WBGT)と関係すると言えそうですが、現在利用されているWBGTを基準とした視点から考えると、WBGTが25℃以下であっても、6月は熱中症の搬送件数(軽症)が他の月と比較して多くなっているのがわかります。

WBGTが25℃以下でも搬送件数が多くなる理由は、WBGT25℃以下の日数が7、8月と比較して多いからだと考えられますが、熱中症予防の指針では、WBGT25℃以下の気象条件は“注意“と位置づけられており、”警戒””厳重警戒””危険”よりその位置づけは低くなっています。

次回は軽症の地域別特徴について紹介します。

[図1]

【イメージ写真】
こちらからお借りしました
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