ノウハウ

非日常、想定外への対応が勝負

試合の日に雨の予報が出ている場合、「あー雨か…」とネガティブになる選手が多いです。
それは何故か?、考察してみました。

東京の過去30年(1981-2010)の気象データ(日別)を見てみると、次のような割合でした。

【晴れ】52.8%
【曇り】18.4%
【あめ】26.2%
【ゆき】2.7%   

(出典:東京管区気象台ホームページ)

このデータが示す通り、晴れと曇りの日の割合は71.2%となり、圧倒的に雨や雪の日の割合が少ないことがわかります。
つまり、日常のトレーニングは7割の確率で晴れか曇りの中で行われており、雨や雪が降っていない中でトレーニングをしていると言えます。
加えて、雨や雪の日はトレーニングを中止にすることもあるでしょうから、その割合の差は更に大きくなります。

このような背景があるため、試合の日が雨だったりすると普段と違う印象が強くなり、「あー雨か…」といったようなネガティブな印象を持つ選手が多くなる、というわけです。

一概には言えませんが、日々の積み重ねにより、晴れや曇りの日は『日常』、雨や雪の日は『 “非” 日常』と脳や体が認識してしまっており、『日常』であれば普段通りなので、安心して想定通りに試合に挑めますが、『非日常』は普段通りではないため、想定外のことに不安を感じるケースが多いのではないでしょうか。

つまり、天気予報を確認し雨や雪の予報が出ている場合には、非日常として日常とは異なった準備や対応をする必要が出てくる、ということになります。

非日常、想定外への対応が勝負です。

しっかりと準備をすることで、雨の日をネガティブに捉えるのではなく、「いつも通り、想定内」とポジティブに捉えられるようになり、勝負強さが増します。

では非日常 / 想定外の時にどのような対応をするのか?、その例を挙げてみます。

◆試合の日が「雨」の場合
・着替えを多めに持参する
・雨の日用のスパイク/シューズを準備する
・靴下を履かない(陸上)
・上手い選手よりも強い選手を起用する
・ボールが滑り易くなるため、パスを減らしてキックやラン中心の戦い方に変更する(ラグビー)
・戦術を変更し、キックやランの得意な選手を起用する(ラグビー)
・ボールが弾み難くなるため、いつもよりもバウンドが低いことを意識する(野球、テニス)
・守備がし難くなるなめ、フライの打球よりもゴロの打球を打つようにする(野球)
・路面が濡れるとスリップし易くなるため、タイヤの空気圧を下げる(自転車競技)

◆「風が強い」場合
・風上であればキックを多く使用したり、高いキックを使用する(ラグビー)
・風が強く向かい風の時は、他の選手の後ろ(影)に隠れて風除けに使い体力を温存する(マラソン、自転車競技)
・横風に強いホイールを装備する(トライアスロン、自転車競技)
・ピッチャーマウンドが追い風か向かい風かによって、ストレートと変化球のどちらを多用するか、投球内容を変える(野球)

等々…

非日常のコンディションであっても、対応できる準備をしている方が勝利を勝ち取れる可能性が高まると言えるので、予め試合の日の気象コンディション(予報)を確認し、天気に合った適切な準備をすることが重要となります。

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